-ルパン視点-
「いっつも処女みたいな締まりだよなァ」
穴はまだピストンを受け入れられるほど開いておらず、
挿れている方も痛みがあって、さほど良くはなかった。
だがこれが仕方のないことで、
俺はもうそれをこの身体でも知っていた。
「ふは、痛ェくらい締めてきやがんな」
むしろその感触を楽しむように奥まで挿入し、
そうすればやわらかい肉壁が、
同時にまだ固い縁がキツく竿を扱いた。
「はッ、はぁ、ぐ…」
押し拡げられていたナカが、
札の上に先走りを垂らしていた雄に手を伸ばすと、
「あーあ、萎えちゃった」
慰めるようにそれを揉んでやった後、
「ま、そのうち良くなるよな」
「う、う、ゥ…!」
札束に顔を埋めて、
それがやけに愛しく見えて、最初よりも加減して腰を動かした。
窮屈にしているのを見て、
「これで少しは楽になったろ」
「は、あ、はぁ…」
奥を責めず、ナカが雄の形を知るまで緩やかな抽出を繰り返した。
時間をかけてねじ込み、その倍の時間でゆっくりと引き出す。
骨ばった骨盤を掴みながら次元のナカを陵辱する自分の雄を見て、
よくもまあ、
「う、んッ…んん」
抜き差しの回数が増えると、
締まりがちょうどよくなり、時折ヒクつくように収縮する。
「柔らかくなってきたぜ、こっからは慣れたもんだろ」
「ん、あ…んん…」
返事代わりの喘ぎ声を漏らした次元の雄に触れると、
「次元…感じてきたな?」
シャツだけを羽織った背中に覆いかぶさって、
掻き立ての汗の匂いは、どうしてか欲情を煽る。
「じゃあ、好きに動かせてもらうぜ」
肩口に吸い付いて鬱血を残して予告し、腰を叩きつけ始める。
「んんッ! う、ぅうッ!」
ぐしゃりと次元の掴んだ札が潰れていくのを見ながら、
俺の先走りとローションで滑りの良いナカは、
次元の脚はかろうじて立っていたが、
崩れた山の端の札束が崩れ、床にボトボトと落ちていく。
これだけの金があれば、大概の贅沢ができるというものだ。
今なら、世界一のガンマンの痴態を買うのが一番の使い道だった。
「なあ次元、ここにある金全部お前にくれてやったら、
ぐちゃぐちゃと音を立てるように腰を上下に揺すり、
「はぁッ、ん…んん…ッ、は、は…」
そうしてやればよほど気持ち良いのか、
「はぁ、ん…40億も、価値のあることなんか、
ぐりゅ、と深く前立腺の膨らみを抉られたことに大きく口を開き、
「は、ん…ん…」
さらにそこに欲しいのか、
「そう言っちまうと、何をされてもいいって意味に取っちまうぜ」
伏せていた身体を起こし、
それを何度も繰り返すと、興奮したのか甘い呼吸が荒くなり、
「ッ、んぐ、深、ェ…加減、し、ろ…!」
奥に突き当てられるのが好きなくせに、
それを無下もなく払い、
「あ、あッ、…はあぅうッ」
吸いつくようなそこに一際強く押し込むと、
それは男の喘ぎ声と言っても、たしかに扇情的だ。
その上次元の元の声の良さも相まって、
「なぁ次元、俺様いいこと思いついちった」
「あ、あ、んぁ…!」
先ほどの声を促すように犯しながら、
「お前さんのそのたまんねェ声、
「…は、はッ…高く買ってくれるってんなら、いいぜ」
まだ余裕があるのか、
負けじと俺を煽っているつもりなのだろう。
それは拍手を贈りたいほど、上出来なものだった。
「んは、そんな娼婦みたいなこと言えんだ。わかったよ、
言うと同時に札束の山の上へ次元の身体を押し上げ、
そしてうつ伏せの身体を押し潰すように律動を再開した。
「あ、あぐッ、ン、ぐぅ…!」
「ダメだろ、詰めちゃ。もっと口を開いて、
口に指を差し込み、強引に開かせる。
その口の端にキスをしながらナカを搔き回せば、
「ぁ、あ、ああッ、あ… まっ、へ、あァあッ!」
上手く発音出来ず、舌足らずに喋る。
可愛いという加虐心と愛しさの織り混ざった感情が、
もっと良くしてやって、
興奮に愛しさは薄れ始め、加虐心だけが濃さをましていく。
「声出すと、ちょっと緩まるな。息吸うと締まってる。お前、
「あぅう…!!」
「いつも声出さねェの、やっぱり恥ずかしいから? 突っ込まれてる時点で諦めちまえばいいものをよ」
虐めてやると、また口元が少し笑った。
「はッ、タダでくれてやるほど、安くないんでな…」
図星のくせに、強がりを言っている。
それだけのことなのに、やけに興奮するセリフだった。
「んふ…お前の声にはそんなに価値があったとは知らなかったね。
「ぁ、ん、ルパン……!」
腰を引き上げて、不安定な足場で尻を突き出すように促す。
次元も欲しかったのか、札束の隙間に手を差し込んで捕まった。
「あ、ンンッ、あ、あは、はぁっ、あ、ア…!」
ワイン色のシャツを羽織った背中と晒されたうなじ、
肉の薄い尻が犯されるたびにかすかに肉を揺らす情景。
奥に当たる度に溢れる淫猥な、
全てがいやらしく、
「あー、お前、やっぱりすげェな。
「はぁっ、ン、んぅう…!」
腰を止め、
途端にぎゅうと雄を咥え込んだ穴の縁が締まり、
直後に次元はビクビクと身体ごと痙攣し、脱力する。
ぼたぼたと音のする方に手をやれば、
「は、潮なんか吹いちまって。奥責めるとすぐこれだよな」
「あ、あ、あぁ…る、ぱ…」
引きずられて射精するにはまだ熱が足りない。
締め付けが落ち着いた後、まだ終わらせないと言うように、
「確か40億だっけ? もう少し楽しませてくれなきゃ割に合わねェよ」
表にひっくり返し、一度抜けるぎりぎりまで腰を引いた。
まだピクピクと震えて潮を垂らしている雄を捕まえて、
そうしてやれば、弛緩していた締まりがまたよくなった。
「あッ…ば、か…少しくらい、休ませろ…」
「だぁめ、お前寝ちまうから」
寝てしまっては、俺が買った声も出ない。
損は心底嫌いで、とても許せるものじゃない。
そんなことを思いながら、溶けた身体に覆い被さる。
それから膝の裏を掴み上げ、尻が突き出るように押し込んだ。
「うぁッ…」
それにさえ感じたのか、次元は喉を反らした。
ナカでイッた後は、また感度が上がる。
興奮で汗が滴るのを感じたが、
柔らかく煮詰まったようなナカを感じ、
押し入れる度に肉に包まれる快楽を得て、
「あっ、あッ、んんッ、はっ、は、はぁッ…」
次元もどろどろになったのはナカだけじゃないらしく、
「次元さんよ、お仕事忘れてませんかネ。俺様、
顎を掴み、前を向かせる。
その目の前に俺も頭を動かし、上唇だけをなめた。
「んぅ…あ、るぱ…あん…ア」
自分の役割を思い出したらしく、
口の端から唾液が溢れ出て、髭に吸い込まれていく。
「あっ、あ、ン、く…ふ、あ…」
だらだらと溢れた粘液を吸いきれなくなったのか、
その様子を見ただけで、
「そう、その調子。イイもの売ってくれなきゃ困るぜ」
「ンッ、はぁ…あ、ふ…ンン…るぱ、ん…ん、ぁ、ひ、ぅ…!」
俺にそう言われ、意識して扇情的に声を出し始める。
女の慣れた演技ではない、時折戸惑うような、
俺自身も作り物じゃない次元の声が欲しくなって、
「い、ひぅ、んあッ、あ、もイ、ク…」
次元が髪を揺らしながら首をもたげ、繋がった部分を見下ろす。
そして雄に手をやって、自分で亀頭を虐め始めた。
「今の、もう一回言って」
「はぁっ、あ、イク…!」
「どっちで? 答えてくれよ」
「う、うぅッ、ア、ま、え…」
言いながらもぐちぐちと鈴口を親指で擦り上げる。
その様子は決して悪いものじゃなかったが、
「前か、そいつはまだ我慢しな」
雄から手を離させ、ぬるついた片手のひらを合わせて握る。
ぐちゃぐちゃと開いては握るを繰り返しながらナカを犯すと、
「く、そ…なん、で、だよ…!」
「だってよ、前だと声出さないだろ?」
男の絶頂は、女のように声を上げながら達しない。
背中をかがめて喉を潰し、身震いだけで終わってしまう。
それを男の次元にするなと言うのは酷なことだが、
「ナカでイって、とびきりいい声聞かせてもらわねェと。
「ッ、ちく、しょう…!」
怒りつつも、諦めたように俺の手を握った。
「あ、あぁッ、あぐ、ん、ぐッ…」
途中まで雄の快楽に集中していたせいか、
取引したとは言え、
もしかしたら、こいつもこいつで、
そうだとしたら、飛んだ淫売だ。
それを考えた時、口の端が勝手に弧を描いた。
「お前さん、ナカでイッちまいそうな時は、
犯し続けながら、
「ん、はぁ、あ、イキたく、なく、なる…」
「へぇ、そいつは恥ずかしいから?」
「はぁ…ち、ちが、う」
次元も汗だくになり、長い黒髪のひと房が頬に張り付いている。
それを払って、それでと続きを尋ねると、
「ナカに、もっと、欲しくなっちまう、から…女、みてェに」
言いながら、空いていた手のひらを臍の下へ、腹の中心に置く。
そこは今まさに、俺に犯されている場所だった。
「ふは、そーくる? 煽ってくれんネ」
どこまで本心かは知らないが、
「じゃ、欲しがってもらっちゃおうか、女みたいによ」
「ひ」
膝の裏を押し込み、次元の頭の上に来るまで尻を突き上げさせる。
俗に言う、まんぐり返しと言う体位だ。
「あぁッ、あ、ア、 る、ぱ、ルパッ…るぱ、ぁ、も、イ…!」
落とすように突き込んでやれば、
「イク、ぁッ、ア、あぁあッ…!!」
奥の窄みに重く雄が突き落とされる快楽に、
俺を押し返すほど背中を反らし、
「あァ…ふぁ…あ、んッ…くぅ…!」
声は勝手に出ているようで、
「はっ、次元ッ…締め過ぎだぜ…毎度のことだけどよ…ッ」
締め上げる縁と蠕動する肉壁に我慢が効かなくなり、
精液が尿道にとめどなく上がり、制御もなくナカにぶち撒けた。
「ぅあ…あっ、あ、るぱ、ん…ふ、ぅう…!」
ナカに吹かれている回数が一度や二度でないことに気づいた次元は
普段、
だが今は穿った穴に、
「はー…あーあ、全部出しちまった。お前が欲しがるからだぜ、
それを次元のせいにしながら、
「はぁー…、は、ぁ…ァ…ぁ…」
絶頂の波が収まっても、呼吸とともに次元の喉が震えていた。
その一つ一つが、俺のものだと言うことに深い満足感を得る。
それに満たされて身体を離し、脚を下ろしてやった。
その拍子にごぷりと出し過ぎた精液が溢れ、
身じろぐこともできずぐったりとしているのを眺めていると、
「これ、見ろよ。ぐっちゃぐちゃ。
そのうちのひと束を、隣に座り次元の目の前に持ってくる。
絶頂に二度も達して黒い瞳は快楽に煮崩れ、
「はぁ…は…んなもん、燃やしちまえば、いい」
途切れ途切れに返事を返し、手の甲で目を隠す。
もう限界だろうと察し、俺は札束の山から降りた。
「焚き火ができるな、この量なら…ン?」
次元のふくらはぎが、俺の腿に当たる。
すりすりと誘うように擦り当てて、
「ふは」
まだその溶けた身体でできることに驚いたが、
その足首を捕まえて、
「これはお前さんの金になるんだぜ、次元。
精液の溢れた穴を指で弄り、悪戯に指を挿れる。
そうすると、ぐちゃぐちゃと穴がヒクつき、
「いい…全部燃やしてやる」
「んふふ…そりゃあいいな、すげェ贅沢だ」
明日は札束の焚き火で煙草でも吸おう。
そう約束して、まだ汚れていなかった札を次元の身体に蒔いた。
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※翌日 大介は腰砕けと二日酔いで焚火不参加