「ん、ルパン…あ、すげ、いい…」
そんな事を言いながら男の股に跨って、恥ずかしげもなく腰を振る。
雄も先走りをだらだら零し、茂みから滴るほどに濡らしていた。
「んん、あ、腹、壊れちまいそ…」
突き当たりで閉じたポルチオに切っ先を擦り付けながら、奥までハメ込んで淫乱に腰を前後させる。
煽り上手なその姿はいつ見ても絶賛ものだった。
「俺ばっかり夢中にさせるなよ」
じわりと涙を浮かばせた黒い目で、茶色く染めた髪をパラパラと落としながら俺を覗き込む。丁寧に染めた髭も、汗で湿気った性の匂いを嗅ぐわせる。
「だぁって次元ちゃんサービスいいんだもん。素直に受け取っておくべきだろ?」
「つまんねぇ、あ、ン…見るだけでノってくれないんじゃ、んぅ…!」
言葉を発する時でさえ律動をやめず、奥ばかりに突き当てる。
それが俺も好きな感触だと知りながら。
「なぁ、ルパン…俺ばっかり淫らに、させるなよ」
俺だってお前のやらしい顔が好きなんだ。
素直にそう告げて、絞るように穴を締めてゆっくりと引き抜いていく。
「ッ、う…」
脳が痺れていくような快楽に、俺も呻いた。
それを見れば、満足そうに笑ってみせる。
こうやって、女役は自分だとわかりつつも俺の上に乗って、俺を乱れさせたがる癖があった。
自分が快楽を与えたいと思うことは、いつだって雄の性だ。
多少は答えてやってもいいが、俺は淫らになるよりは相手を淫楽の坩堝にハメたい。
そうさせる事が、俺という男がするセックスのすべての有様。
俺の雄としての、性としての最高の快楽だった。
「はぁッ、あ…ア、はぁ、は、ん…」
穴を指で広げながら、咥え込んだ雄にまとわりつく肉を掻き分けて奥まで挿入していく。
緩慢で焦れったい抽出を繰り返しながら、止むことのない興奮を吐息で示した。
「ナカで、出せよ」
随分と煽られたせいか、俺の雄も中でイキたがってビクビクと跳ねていた。
それを感じているらしく、やたら雄っぽい顔で笑みを見せた。
「…悪ィけどよ。俺様お前がナカでイってる時じゃないと、出す気しないね」
俺の言葉に、次元は余裕ぶった顔をぱたりとやめた。
仕方ない。アレをする時、泣かなかった事はないのだから。
「アレ、気持ちいいんだよね。ナカがすんげぇ締まって、奥まできゅうきゅうさせちゃって。まるで種付けてってねだってるみたいでさァ」
俺の横で突っ張っていた腕を掴むと、嫌なのか引いて逃げた。それを追いかけるように起き上がって、その勢いで押し倒す。
「ッ、ルパン、別にアレじゃなくたって」
「そりゃあイけるよ? でもそれじゃあ、お前があんなに煽ってくれたお礼にはならないし」
これ以上水を差す言葉を言わせないために、キスで唇を塞ぐ。
そして肉のぶつかり合う衝撃が互いの身体に響く程、穴を激しく穿ってやった。
「うぁっ、ア、るぱ、やめろ、んァ、あ、あぁッ」
突き当たりを責め続けると、脚が動きを阻もうと俺の腰にきつく絡む。
「ふふ、邪魔しないの」
脚を外させ、内腿を鷲掴みにして股を開くだけ開かせる。
すでにナカは不規則な痙攣を起こして、雄を咥え込む穴は徐々に締め付けを増していった。
「あぅ、んんッ、はぁっ、は、はッ…!」
絶頂が近いのか、喘ぐのも忘れて熱い吐息だけを吐くようになる。
もうそろそろだというところで、臍から下、鼠蹊部の真ん中を掌の付け根で強く押し込んだ。
「うあッ、それは、やだって、ァ、あっ、押す、なァ…! 」
こうするとナカが圧迫されて、ポルチオに深くハマるらしい。
「あ、ん…ふッ、んンーッ…!」
焦点がぼやけた目で俺を見るが、押される度に快楽に翻弄される間延びした嬌声を上げた。
「イ、く…」
抗うことは無駄だと、悟ったように目をつぶり、ビクビクと腰を強く跳ねさせ始める。
一度で終わらないそれは、何度も波を立てるように来る。最後にひときわ強い潮を呼ぶように、熱いナカが締まった。
「は、はッ…ん、んゥ…!」
それに呼応するように体全体で仰け反り、汗と先走りで濡れた肌をゆらゆらときらめかせる。
「はッ、あ〜…何度やっても、すげェ気持ちいいよ……次元、俺のスウィティー…甘くて熱くて、俺まで溶けちまいそう」
これ以上ない淫靡な肉の蠢きを直に感じて、たまらずそのナカに白濁をぶち撒ける。
脈打つこと3回、溢れるほど注ぎ込むのを感じながら、引き抜くことはしなかった。
「次元? だいじょぶ?」
余韻の快楽に意識をどろどろに溶かしてしまっている顔を覗き込み、頬を軽く指の背で撫でる。
「はぁ…あ、はぁ…は…」
涙をぼろぼろと零す目は開いているものの、吐息を吐くばかりでどこも見はしなかった。
「ぬふふ。煽るくせに、結局コレだもんなァ」
男好きだと言わんばかりに俺を誘うが、結局快楽には強くない。
快感を求めて身体を開くくせに、快楽に溺れ切るのは躊躇する。
俺と一緒に飛び込むのを怖がったことは、仕事では一度もないくせに。
「お前にビッチは向いてねェよ」
本当のあばずれは、スイッチが入った刹那に快楽だけに身を投じる。
快楽だけを本能に肉体を貪って、白痴よろしく言葉を捨てる。
何度やっても、お前はそれができなかった。
「はぁ、あ…ルパン…ルパン…」
意識を戻した腕が、抱きしめてくれと首に絡みついてくる。
「よしよし、俺のミネットちゃん。戻ってきたね」
求められた通りに、まだ硬いままの次元の雄を腹に挟み背中を抱き締める。
「んん、ン…ルパン、もう、いっかい、しようぜ」
ぬるついた雄を俺の腹に擦り付けて、懲りずにまた煽り立ててくる。
「まぁたそんなことして、学習する気ある?」
そう何度も手加減してやれないんだぜ、と耳元で囁く。
「は…いっそ、壊して遊んだって、いいんだぜ」
やり返すように俺の耳元に唇を寄せて、慣れたようにあばずれな台詞を口にした。
それでも低く濃い声の底が、微かに揺れているのを聞き逃すことはなかった。
どんなにビッチぶってても、色情狂にはなれない臆病な大介なのであった。